このモデル リリースでは、NVIDIA cuOpt を特集しています。これは記録破りに高速化された最適化エンジンであり、チームが複雑な経路問題を解決し、新しい機能を実行するために役立ちます。組織はこのエンジンを利用することで、物流、業務調査、輸送、サプライ チェーンの最適化を再創造できます。 NVIDIA cuOpt は、次のような物流の最適化におけるさまざまなユース ケースに役立っています。
- ラストマイル配送 (LMD: Last-mile Delivery)
- 現地派遣
- フリート管理
- 倉庫と工場のロボティクス
- サプライ チェーン管理 (SCM: Supply Chain Management)
- ピック アップとドロップ オフ
cuOpt は最終的に、組織の収益増加、コスト削減、顧客満足度改善を支援します。
この記事では、cuOpt の機能を探る 2 つの方法について説明します。NVIDIA AI Foundation モデルとエンドポイントと NVIDIA LaunchPad です。
NVIDIA AI Foundation モデルとエンドポイントで cuOpt を試す
NVIDIA AI Foundation モデルはエンタープライズ生成 AI 向けに最適化されています。API やユーザー インターフェイス ベースのデモを介して、サンプル データを利用して NVIDIA cuOpt とやりとりできます。これはホストされた環境で利用できるオープンアクセス プラットフォームであり、GPU アクセラレーテッド サーバーは必要ありません。
最適化に詳しくない方でも、cuOpt が簡単に始められます。 Web GUI を操作するだけで、スクリプト付きの API ベースのデモ (REST エンドポイント) か UI ベースのデモでモデルが体験できます。3 つのサンプル データセットがモデルにプレロードされています。各データセットの詳細については、技術概要をご覧ください。
データ カスタマイズについては、API ベースのデモと UI ベースのデモで、下記に詳細があるように、機能面でいくつかの違いがあります。
API ベースのデモ
API ベースのデモは、AI 開発者、テクニカル プロダクト マネージャー、AI 実践者に最適な選択肢です。
NVIDIA は、前処理され、cuOpt に送信する準備ができているデータが含まれる JSON ファイルを提供します。ユーザーはデータをそのまま送信することも、API 呼び出しのセルで直接、データを編集することもできます。独自のデータを使用するには、データの前処理を完了し、JSON 形式で AI Foundation エンドポイントに取り込みます。
UI ベースのデモ
UI ベースのデモは、cuOpt の特徴や機能をもっと良く理解したいと考えているエグゼクティブ、IT リーダー、AI リーダー、基幹業務のエグゼクティブにとって役立ちます。
NVIDIA はサンプル データセットと、cuOpt に送信する準備ができている入力データが含まれる JSON ファイルを提供します。このインタラクティブ デモでは、ユーザーは入力データに含めたい制約を選択できます。次に、出力が提示され、制約が出力にいかにして影響を与えるかが提示されます。このデモ環境では、独自のデータを使用することはできません。
NVIDIA LaunchPad で cuOpt を試す
NVIDIA LaunchPad を利用すると、NVIDIA のアクセラレーテッド ハードウェア/ソフトウェアにインターネット ブラウザーから無料でアクセスできます。アクセス後は、ホストされた環境で cuOpt を体験できます。この選択肢は、データ サイエンティストや最適化サイエンティストなど、最適化の実践経験が豊富な方に適しています。始めるにあたり、LaunchPad Route Optimization ハンズオン ラボのアクセス リクエストを送信します。このラボでは、NVIDIA cuOpt Cloud Service を利用し、車両フリートの経路を最適化します。これには Jupyter Notebook が含まれていますが、この Notebook でデータの前処理手順を順番に確認し、各データ フィールドの定義を確認します。ガイド付きでかつ、自らも参加する場面の多い学習体験が与えられます。
Route Optimization ラボ ガイドから始めます。このガイドでは、データセットがプリロードされている Jupyter Notebook を試すことができます。
データセットの前提条件
注文をすべての配送ドライバーに割り当てるための一連のサンプル合成データセットが含まれています。ドライバーをその人に合った注文に割り当てるため、Orders (注文)、Depot (デポ)、Routes (ルート) という 3 つの CVS ファイルが各ユース ケースで使用されます。また、Jupyter Notebook を使用し、独自のデータをアップロードすることもできます。
データセットの前提条件の詳細を以下に示します。
- 入力形式: 3 つのファイル、注文、車両、タスク データセット。各データセットには、場所、稼働時間、需要など、関連データの列が必要です。プリロードされたデータセットの詳細なデータ フィールドを参照してください。
- 入力パラメーター: データ処理ために Jupyter Notebooks にアップロードする CSV ファイル。それを JSON ファイルとして保存し、cuOpt API 呼び出しを行います。
- 入力に関連するその他のプロパティ: cuOpt は最大 1,000 箇所でのシミュレーションに対応。最大文字数や JSON ファイル サイズはありません。前処理は、制約を整数やブール値に変換するために行われます。特定の入力制約の詳細については、技術概要を参照してください。
プリロードされたデータセット
次のデータがプリロード データセットに含まれています。
- 注文データ: 配送先の場所情報 (経度と緯度)、注文の需要/重量、注文を配送できる時間枠。
- 車両データ: 車両の種類、各車両で処理できる最大キャパシティ、さらにはドライバーの休憩時間など、車両とドライバーの特性を指定します。
- 拠点データ: 倉庫/配送センターの出発場所と営業時間に関する情報。
まとめ
NVIDIA cuOpt は物流業務を NVIDIA AI Foundation モデルとエンドポイントで一変させることができます。NVIDIA LaunchPad の無料試用版もご利用いただけます。2 つの選択肢の違いを比較するには、表 1 を参照してください。
NVIDIA AI Foundation モデルとエンドポイント | NVIDIA LaunchPad | |
定義 | ホストされた環境にサンプル データ、API ベース デモ、UI ベース デモがプリロードされているインタラクティブ ツール。 | ホストされた環境にはインターネット ブラウザーでアクセスし、独自のデータをアップロードすることで体験をカスタマイズできます |
アクセス | オープン アクセス | アクセスを申請する |
期間 | 制限なし | 短期 |
主な利点 | 直感的な学習体験 | 自分のデータを持ち込む |
NVIDIA GTC 2024 で行われた NVIDIA セッションをご覧ください。「Advances in Optimization AI (最適化 AI の進化)」では、NVIDIA の最適化 AI エンジニアリング マネージャーの Alex Fender が登壇しました。
最適化エンジン、クラウド サービス、本番環境での展開などにご関心がありましたら、是非 NVIDIA cuOpt に関する最新情報にご登録ください。
関連情報
- GTC セッション: Learn How to use a Route Optimization Cloud Service to Drive Efficiency and Cost Savings (効率化とコスト削減を実現するルート最適化クラウド サービスの活用方法のご紹介)
- GTC セッション: Advances in Optimization AI (最適化 AI の進化)
- GTC セッション: Introduction to CUDA Programming and Performance Optimization (CUDA プログラミングとパフォーマンス最適化入門)
- NGC コンテナー: cuOpt
- SDK: cuOpt
- SDK: cuFFTXt